生活習慣病の予防と治療

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生活習慣病の予防と治療

~生活習慣病は、知らず知らずのうちに進行し、やがて脳卒中や心筋梗塞など深刻な病気を引き起こします~

生活習慣病とは

生活習慣病は、多くの場合、その言葉通り食生活などの生活習慣が原因で引き起こされる病気です。そのため、原因になっている生活習慣を変えることで改善が期待できます。しかし生活習慣を変えることは、なかなか難しいことですね。進行しない限り、ほとんど自覚症状がないのです。ところが進行して現れる病気は、脳卒中や心筋梗塞といったとても深刻なものばかりです。そこで生活習慣病予防の重要性を広めるために始まったのが「メタボ健診」「特定健診」です。この健診の本来の目的は「痩せること」ではありません。心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病気にならないように、保護しなければいけない血管の状態なのかどうかを判断します。当院では、患者様にとってベストな方法を一緒に探しながら、しっかりコントロールしていく診療を行っています。
生活習慣病とは

糖尿病

【症状の特徴】

インスリンの減少や機能低下になり、糖の代謝機能がうまく働かなくなることが糖尿病の原因です。インスリンは、膵〈すい〉臓で作り出されるホルモンで、細胞が血液の中からブドウ糖を取り込んでエネルギーとして利用するのを助けます。インスリンが働かなくなると血液中のブドウ糖濃度「血糖値」が高くなります。血糖値が高い状態が続くと、神経と血管を中心にダメージが蓄積していきます。そのため、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症という怖い合併症が起こりやすくなります。神経障害では身体にさまざまな不調や痛みが現れ、網膜症では眼底出血等を引き起こし失明の可能性もあります。また、腎症では透析治療が必要になるケースもあります。

【治療方法】

初期の糖尿病であれば食生活を見直すだけで治ることもあります。しかし症状が進んでいる場合には、生活習慣の改善のほか、血管にこれ以上ダメージを与えないように、お薬で血糖値をコントロールしていきます。お薬も現在はいろいろなものが出ていますので、私たちは患者様の生活スタイルを考えた上で、最適な治療方法を探していきます。「血糖をしっかり安定させること」が糖尿病を進行させない一番の方法なのです。

糖尿病

こんな時はご相談ください

会社で健診を受けている方で結果に気になる点があったらいらしてください。太ってきたなど心配な要素がある方もお気軽にご相談ください。

高血圧

【症状の特徴】

高血圧は多くの病気の原因になります。血管や心臓の圧が高くなってしまうことが本体で、この原因を見つけて治療していくことが重要です。最近の血圧の目標値は、年齢や他の病気の有無により異なります。このためしっかりした知識が必要です。

【治療方法】

食事療法と運動療法、そしてお薬による治療を行います。日本人は伝統的に塩分を摂りすぎる傾向があり、こうした食生活を続けることで高血圧になってしまいます。塩分制限、体重コントロール、運動は高血圧治療にとって大きな柱になるもので、これをしっかり行うことで、お薬をやめることも可能です。できるものから根気よく続けていくことが大切なので、一緒に考えながら取り組んでいきましょう。多くの患者様が「血圧のお薬は一生飲まなければいけない」と思われていますが、これは誤りです。血圧が良い状態で安定すれば、薬をやめることができます。血圧を下げることだけが目的ではありません。皆さんが快適な生活を送るために血圧を安定させる、これが私たちの目的です。

こんな時はご相談ください

普段から血圧をこまめに測って記録しておくと安心です。測っていて基準値を超えることが多くなってきたら、ご相談にいらしてください。

脂質異常症

【症状の特徴】

多くの場合、症状は重篤になるまで出ません。ただし、一部の人には皮膚に症状が出ます。とても怖い生活習慣病なのですが、その実態は一番知られていないかもしれません。脂質異常で一番問題になるのは血管に対する影響です。血管の内腔の狭窄、それに伴う硬化によって動脈硬化を引き起こし、脳血管障害、心臓疾患、腎臓疾患、動脈瘤などの血管疾患の合併症を引き起こす可能性が高まります。

脂質異常症

【治療方法】

血液中のLDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド(中性脂肪)を測定して、どれかひとつでも過不足があれば脂質異常症です。運動や食生活が大きく関わっているので、気長に改善していくしかありません。食事に関しては、禁炭水化物などと極端に走らず、さまざまな工夫をしながら全体の量を減らすことが重要です。

こんな時にご相談ください

健診結果で異常の数値がありましたら、一度ご相談にいらしてください。また、数年健診を受けていない場合には、検査をおすすめしています。

ご納得の上で治療をはじめます

生活習慣病に関しては、その危険度やどれくらいの頻度で検査が必要なのか、そしてその病状を改善させるために普段の生活に欠かせない食事療法や運動療法についても細かく指導するようにしています。 また、お薬をきちんと飲み続けることが苦手な患者様は意外と多いものです。しかし、飲んだり飲まなかったりを繰り返すと、薬の効果が得られないだけでなく、病気が進行してしまいます。実は、 薬を変更して錠数を減らしたり、生活習慣を改善したりすることで薬を中止することも可能です。薬を飲むのをやめたい、減らしたいとお考えの時には、ご自分の判断で中止せず、必ずご相談ください。 生活習慣病は治したいと思った時、他から指摘された時からの治療で大丈夫です。その病気と向き合うことが治療の第一歩です。私たちは患者様と相互理解を深めていきたいと考えています。
ご納得の上で治療をはじめます